飽き?諦め?打算的?

ADHDのウチの娘は時間把握が苦手であり、瞬間瞬間を生きている。こういった生活を続けていく事で時間に係わること以外でも弊害が出てくる。
とにかく順位付けができない彼女にとって何か一つに的を絞りこみ、それに向けて何か行動を起こす事が苦手だ。それは選ぶという行為であったり目標を定めるといった行為に及ぶ。

選べないADHDの人が買い物に行くとどうなるだろうか?同じようなものでも良し悪しが判断できずに手当たり次第買ってしまう。ウチの娘は小さい時に驚くほど同じ様なものばかりを買ってしまった事があった。
どうしても一つだけに絞り選ばなければいけない場合はもの凄く悩むことになる。これが興味の無いものであれば尚更苦労する。散々迷った挙句決められない事も多々ある。最終的な決め手は価格が高い=良いものという価値判断基準を決めて、自分の買える範囲で一番高いものを買う。いずれにしても買ったまでは良いがそれを大切に使うとか使いこなすという所までつながらない。

後々、色々な物が目に入り色々なものに興味を抱いてしまった場合、買ってきた物を所有している事すら忘れてしまう。

ウチの娘は新しい服を買いに行っても何も買ってこないで帰ってくる事が多々ある。選べずに疲れ果てて帰ってくるのだ。誰かと一緒に買い物に行って勧められて買った新しい服も本人が興味を持って買ったわけでは無いので全然着ないしそれを持っている事を覚えていないのだ。でも、お気に入りの服は誰になんと言われようとしょっちゅう着ている。サイズが合っていなくても構わず着ている。

普段は目標を定めるのが苦手だが興味があるものについては人並み以上に明確な夢や目標を決められる。しかし他の事については驚くほど諦めが早く打算的だ。

ウチの娘は受験や進路、資格取得などにこの特徴が顕著に現れた。

先ず志望校が決められない。こういった状況の時は少し難しいレベルの学校を目指す事は無い。もうちょい勉強して学力アップして受験に臨むという事は先のゴールを決めて逆算して今から何をしたら良いのかを決める事だがこれが苦手なのだ。その結果、今の学力で入れる学校選び受験するだろう。

しかし受験の願書提出締め切り間に急に行きたい学校が見つかった場合、学力レベルに見合わなくても受験勉強期間が足りなくてもその学校に願書を提出する。結果は残念な事になる。本人は行きたくて仕方がない学校だっただけに大泣きするがこればかりは仕方がない。親なら娘にアドバイスして合格しそうな学校を受けさせるという事も手段としては考えられるが、娘の希望する学校を受験させても興味が無いから途中で学校を辞めてしまう懸念がある。

彼女にとって優先順位はどのくらい強く興味が持てるかによって決まる。私としても、なるべくは彼女が思った事をやらせた方が良いと思っている。

高校受験の時はこれで良かったと思っていたがそろそろ高校卒業後の事も考え無ければならない。頭を悩ませる問題が待っている。